「カフェコルボ」のマスターも体調が復調し、数人のアルバイトも使い営業自体は毎日が忙しく充実した時期に入っていた。
僕はといえばカフェの方も調理の方も両方教えてもらい、マスターが休憩中は変わりが出来る様にはなっていた。
ベシャメルソースの仕込みではオーブンで何回も火傷し、パスタの茹で作業は大きな寸胴を使う汗ダラダラのチカラ仕事。
チョコレートケーキに使うジェノワーズというスポンジは、ココアを混ぜて焼いても膨れない事が何度も有った。
そんな失敗などを重ねていたら、いつの間にか色んなパスタソースやキッシュなどから、ケーキも2種類だが作れるようになっていた。

ただ、この頃母親の持病である喘息が酷くなり始め、実家の中華料理屋も閉めて貸し出す方向で話していた。
当時は景気も悪くなく、場所も駅横なので借り手はすぐ見つかるんじゃないかという。
僕は実家に戻って生活を始めていたが、まだ自分で店を営業する気は無かったし、特に調理は基本的には向いてないかなぁと感じてしまっていたので、すぐに実家でなにかをやろうとは思わなかった。
ただ、飲食業は好きなのでこのままこの業界で続けたいと漠然に考えてはいた。
そんな頃、マスターがかねてから交際していた女性が勤務先を退職して、本格的に「カフェコルボ」を手伝うことになった。
交友関係も広がり仕事は楽しかったが、僕もそろそろ次のことを本気で考えないといけないなぁ~
、、と考え始めた20代中盤を迎えた時期でした
続きます。。
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